2006/09/13

パズル(1) タンパク質のフォールディング


補足情報としてぜひ載せていきたいものとして、パズルがある。タンパク質はアミノ酸がつながった「ひも」であり、それが折れたたんで(フォールディングして)最終的な「かたち」をもったタンパク質になる。そのプロセスを思い起こさせるパズルというのはけっこうあるもので、これまでにそれなりに集めてきている。自分の発表資料のイントロなんかでもずいぶんと活躍してもらっているし、講義でタンパク質のフォールディングを解説するときに手でもてあそんだりもしている。
 ということでいろいろともっているのだが、まず第一弾は、いかにも「フォールディング」という感じの立方体パズルを紹介したい。このパズルの存在自体は東工大時代にとある院生がオーストラリアでの学会(?)か何かで見つけたと言って見せてくれて感動したのが最初である(ちなみにF1-ATPase研究をしていたが)。その後、自分でもドイツ出張の際に同様のものを見つけた。今は研究室のお茶部屋の友としてみなに愛されている。これができないと田口グループに入れない、という噂もあるが、ぼく自身がどのくらいで完成させられるかは実はヒミツである。
 このパズルのフォールディングとの関係は一見してわかるもので、説明はいらないと思われる。実際、他の研究者でも愛用されていて、阪大の某先生はこれでアミロイドまで作っておられる。
 「変性」、つまりキューブをこわすのは簡単だが、フォールディング、つまり元に戻すのが難しい、というのはタンパク質のフォールディングと同じだ。ただ、ヒモを形成するパーツ(アミノ酸に相当)とパーツをつなぐ部分の回転の自由度はかなり制限されており、その点ルートも限定される。タンパク質のフォールディングはもっとぐにゃぐにゃしたところから、かちっと決まるわけである。
 今では100円ショップでも手に入ります。ぜひお試しを!

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