2020/04/18

文庫版出版「池上彰が聞いてわかった 生命のしくみ 東工大で生命科学を学ぶ」」(追加コンテンツあり)

 2016年9月に共著で出版した書籍が文庫化されて今月初めに販売を開始している。


 「池上彰が聞いてわかった生命のしくみ 東工大で生命科学を学ぶ(朝日文庫)」
 著:池上彰, 岩崎博史, 田口英樹(朝日新聞出版)
    → amazon.co.jp → 出版元のサイト(「立ち読み」あり)、

 みなさんご存じの池上彰さんが生命のしくみに関する質問を東工大の同僚教授の岩崎博史さんと私に投げかけて、回答していくことで、生命科学の基本をわかりやすく知ることができる一冊である。

 文庫化と言っても、以前の書籍をそのまま文庫化したのではない。この3年ほどの間に大きく進展した内容を盛り込もうということで、あらためて池上さんと大岡山で対談して内容をアップデートしている。特に、CRISPR-Cas9の登場で進展著しいゲノム編集については新たに章を設けている(第5章)。他にも、抗体医薬(バイオ医薬)やiPS細胞などについて最新の内容を追加コンテンツとして加えている。

 これを書いている2020年4月18日現在、日本を含めて世界は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で日常が大きく変わってしまっている。
 そのような中で、生命のしくみの基本を多くの方に知ってもらうのは重要であると思うし、実際、今まで以上に生命科学のリテラシーが必要な世の中になっているのは間違いないだろう。
 文庫化の準備は半年以上前から行っていて池上さんとの対談も昨秋に行ったのでウイルスに関する詳細な記載はないが、生命とは何かを説明する際に「ウイルスって生き物なんですか?」という池上さんの問いかけがある(文庫の帯にその質問が入っている)。

 このブログは生命科学の専門家の方が読んでいる人が多いと思うが、周囲に勧めていただければ幸いである。

ーー以下、コンテンツ紹介ーーー

出版社からのコメント
「ウイルスって生き物なんですか」
――「生き物とは何か」という定義を学ぶことで、ウイルスの不思議な性質も理解できます。

「生命って、実によくできているなあ! 」と池上さんも感嘆した、
驚くべきしくみとは。
生きること・死ぬこと、そして遺伝子からゲノムまで、
生命科学のすべてがこの一冊でまるわかり!
池上さんが質問し、最先端の研究をしている東工大の教授が解説します。

ノーベル賞受賞・大隅良典氏との特別対談も収録!

【目次】
第1章 「生きているって、どういうことですか」
・ウイルスは生物ですか など

第2章 「細胞の中では何が起きているのですか」
・タンパク質は何をしているのですか など

第3章 「死ぬって、どういうことですか」
・老化するとはどういうことですか など

第4章 「地球が多様な生命であふれているのはなぜですか」
・秘境、深海、そして地球外に未知の生命はいますか など

第5章 「ゲノム編集は私たちの未来を変えますか」
・中国のゲノム編集ベビーはどこが問題なのですか など

ノーベル賞受賞・大隅良典氏との特別対談
「どうして今、生命科学を学ぶのですか」

内容(「BOOK」データベースより)
「生命って、実によくできているなあ!」と池上さんも感嘆した、生命の驚くべきしくみとは。生物の基礎から、ノーベル賞受賞の「オートファジー」のしくみ、遺伝子からゲノムまで、生命科学のすべてがこの一冊でまるわかり!池上さんが質問し、最先端の研究をしている東工大の教授が解説。ノーベル賞受賞、大隅良典氏との対談を収録!
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