緑に光るタンパク質、GFPが今年度のノーベル賞の対象になって早一ヶ月が過ぎた。そう、アメリカ在住の下村博士がオワンクラゲから発見した自ら蛍光を発するタンパク質である。
GFPは生命科学の研究者なら知らない人はまずいない、というほど使われているタンパク質だ。そのためにノーベル賞が授与されたわけだが、精製したGFPタンパク質を実際に目の前で見たことがある人は意外と少ないのではないか。たいがいは、細胞の中で興味のある遺伝子にGFP遺伝子をつなげて光らせ蛍光顕微鏡で光っているのを見る、という研究だと思う。
うちのラボでも蛍光顕微鏡で細胞内でGFPが光るのを見てもいるが、大腸菌でGFPを作らせたあとに精製したピュアなGFPも使う。シャペロニンの基質として使ったりするのだ。自ら光るGFPは、精製して濃いのを目の当たりにすると実に美しい。ついでに言えば精製もクロマトグラフィーの樹脂の中で光っているので簡単である。
実物を見せるだけでも魅せられるほど美しいし、種々のデモ実験でも大活躍する。タンパク質として「かたち」を保っていないと光らないので、タンパク質のかたちが壊れる変性やかたちが元に戻るフォールディング(折りたたみ)を直接見てもらうことができる。そのデモ実験の動画はひっそりと自分のサイトに置いてあるので興味のある方はぜひ見てみてください。
これをきっかけにタンパク質(の研究)のことに興味を持ってくれる人が増えればうれしいものである。
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ということでこの話題は次回に続く、というか次のネタへの伏線である、というかそのネタの背景を書いていたら長くなったのでここでいったん投稿してしまおう。
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