2025/12/31

学術変革(A)マルチファセット・プロテインズの事後評価「A+」とMFP的なモノ

 私が代表を務めた学術変革領域研究(A)「マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界」(以下、MFP)が昨年度で終了した。


今年度、事後評価が実施されて必要資料を準備して結果を待っていたが、先週文科省のウェブサイトにて評価結果が公開された(→令和7年度 学術変革領域研究(A)に係る中間・事後評価について)。

A+

という最高評価ををいただいた(A+からC)。「A+」はなかなかいただけないのでたいへん嬉しい(以前の「新生鎖の生物学」はAだった)。以下、評価結果pdfに載っていた所見から本領域のところを引用する。

(評価結果の所見)

本研究領域は、これまでのタンパク質像からは想定できなかった多面的なタンパク質機能を見出し、拡大し変貌するタンパク質世界の理解を深めることで、タンパク質科学における新しい常識の確立を目的としている。この目的を達成するため、マクロな細胞を用いた解析、電顕レベルの微細構造解析、バイオインフォマティクスを駆使した情報解析の網羅的かつ緻密な連携により研究を推進した結果、非典型的翻訳、非AUG 翻訳、RAN 翻訳など多様な翻訳機構を世界に先駆けて明らかにし、既存のタンパク質研究の枠を超える飛躍的な理解をもたらした。ダークプロテイン、ダークプロテオームが最近、国際的に注目されるようになったという事実は本研究領域の先見性を示しており、変革や転換といった言葉に相応しいものである。また、研究領域の運営においては領域代表者のリーダーシップのもと、分野横断的な共同研究体制が構築されており、その結果として多くの成果が国際的な認知度の高い論文として発表されている。一方で、研究領域内での共同研究の成果に偏りが見られた点には物足りなさがあるため、今後は共同研究論文の発表が望まれる。本研究領域によりマルチファセットなタンパク質の描像が目覚ましく発展したため、将来的にはそれらを統合するような概念の創出に進むことを期待したい。


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領域が始まってから卒業生たちが3月の追いコン時にMFP領域のロゴ(多くのファセット(面)をもつダイヤモンドを領域のシンボルとした)のダイヤモンドに見立てたモノを見つけたり、作ったりして記念にくれることが多い。今年3月のはまだ紹介していなかったので、この機会に掲載する。

2025年3月 折りたたみ式コーヒードリッパー。商品のパッケージにあるようにコーヒーフィルターを置くのが基本だが、折りたたみ方を変えれば、ダイヤモンド的になる。



ドリッパーをシャペロニンGroELに見立てて「変性」させたキューブパズルを載せてみた


2024年3月 クリスタルパズル(3Dジグソーパズル)のダイヤモンド→20240921ブログ、→202401006ブログ


右にあるのは領域会議で作ってくれたMFPの内輪


2023年3月 「ストームグラス(容器に密閉された樟脳の結晶形が天気によって複雑に変化)」。本来の置き方をひっくり返しすとダイアモンド型になる。→20240921ブログ



2021年3月「マルチファセットプロテインズ」的なランプのギフト」→20210424ブログ

手作りでカラフルに仕上げてくれた逸品


2022年3月は「シャペロニンもどきの容器と自発的に「フォールディング」するメガネ拭き」(→202312ブログ)なのでMFPとは無関係だった。

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