2009/11/22

変性タンパク質もどき消しゴム?


海外に出かけるとネタが増える。

次に紹介するのはケンブリッジの博物館のショップで購入した消しゴム(だと思う)。

きれいな色がねじれているような硬めのゴムであまり自由にくねくねとはしないが、シャペロニンを模した幾何学玩具(8量体シャペロニンもどき)と組み合わせると、[ シャペロニンー変性タンパク質 ] 複合体と見立てることができる。


ちなみにそのケンブリッジの博物館ではダーウィン展が開かれていた。


2009/11/15

7量体リングのシャペロニン(GroEL)入手!

 1年ほど前のこの欄に「8量体シャペロニン?」と題した投稿をした。先日の海外出張の途中で自分の専門である7量体シャペロニン、つまり真正細菌型シャペロニン(GroEL)に類したおもちゃを見つけたのでここに紹介したい。

背景としては、シャペロニンは進化的に見て大きく二つ、真正細菌型GroELと真核細胞(グループ2)型CCTに分類される。CCTは8つの異なるサブユニットからなるリングが二つ重なったタンパク質で、以前紹介したのは「8量体もどき」であった。自分の専門はGroEL型であり、こちらは7量体(が重なったダブルリング構造)であるので実は「これが7つだったらなぁ・・・」と思っていたのが正直なところであった。


その想いが通じたのか、パリの街を歩いているときに露天商が売っているこのおもちゃを見て、「サブユニット」を数えたときにはうれしかった。7つだったからだ。
その露天商はその場で針金とペンチを使ってこれを組み上げていた。インドから来ているという彼いわく「一つ作るのに2時間かかる」、「これはインド発祥なのだ」とか。出来もいいので、迷わず価格交渉を行い、色違いを3つまとめて購入(GroELを研究しているメンバーへのおみやげとした)。そのインド人はなぜぼくが3つも購入したのか不思議だったかもしれない。



なお、最初に見つけた「8量体」の方がサイズが大きく、「7量体」は小さい。

こういうおもちゃやパズルはなぜか海外で見つかることが多いのが、少しさみしいような気もしないでもない。大きい方は日本の知育玩具のお店で見つけたものである。研究室の一般公開や講義の小道具にもうってつけの一品。シャペロン研究者ならぜひ入手してもらいたいものである。 (「パワーオーブ」で検索すると出てきます)

(一部、「タンパク質の社会」ニュースレターのコラムより抜粋)

2009/11/08

ニュースレター第4号発行

10月上旬に特定領域「タンパク質の社会」のニュースレター第4を発行した。


この号の表紙はこのブログを読んできた方には一目瞭然。シャペロニンのフットボール複合体である。特集は、手前味噌のGroEL特集。最近我々の研究を含めてGroELの作用機構について新しい知見が蓄積しているのでそれをまとめてみたのである。さらには、HorwichとHartlというシャペロニン分野の大物二人の間での論争の経緯なども紹介している。




他にもいつものように関連シンポジウムなどのレポート、海外留学記なども載せてある。読みたい方は事務局(protein.community@gmail.com)まで連絡をください。ウェブ版PDFのパスワードを教えます(もしくは発送リストに載せます)。