2009/01/03

光学異性ペン(左利き用ペン)


 ウェブだけ読んでいる人には知るよしもないが、根っからの左利きである。左利きの人でも、字を書いたり、箸を持つのは右、という人が少なくないが、ぼくはどちらも左だ。

 左利き関連の本やグッズにはふだんから興味ある。いっとき、左利きは早死にする、なんて説がきちんとした学術論文として載ったりしたが、そんな話題にもアンテナを張ってはいる(早死説は気になるところだが、反論もあるようだ。ちなみに、早死説の理由は、左利きはいろんなところでストレスがあったり、事故に遭う確率が高い、ということらしい)。あと、教員として試験監督を行うことがたまにあるが、そんなときに秘かに行っているのは左利き調査だったりする。最近は少しは多くなったのかと思いきや、せいぜい5%というところだろうか。



 前置きはこのくらいにして、ここに紹介するのは左利き用のペンである。ふつうのペンや鉛筆には左も右もないが、こいつは少し凝っていて、人差し指と親指がはまる位置にくぼみがあり、それが左利き用と右利き用を分けている。鏡に写すと右利き用のになるということで、有機化学で言うところの「光学異性」というわけだ。

 ペンの写真だけでは少しわかりにくいかもしれないので実際にペンを持った写真を載せてみる。左で持ったときにはくぼみがピタッとはまるのがわかるだろうか。それに対して、右手で持ったときの写真では人差し指はくぼみにはまっているが、親指がはまっていない。

 書き心地はまずまずかな。少し太めなのでサインを書くようなときにちょうどよい感じだ。 デザインや色合いも秀逸で、最初はそこにピンと来て手に取ってみようとしたら左利きと右利き用があるということに気付いた。ちなみにドイツ製(stabilo.com)。


 左利きグッズで思い出すのは、学生時代に初めて行ったアメリカで、左利き専門のお店をたまたま見つけたときのことだ。こんな店があるんだ、とうれしくなり、小さい店だがくまなく楽しませてもらった。欧米には左利きの人が多いから(というより矯正されないからだと思うが)マーケットとして成り立つのだろうか。  そこでは、左利き用ハサミなるものを購入した。ハサミの刃の付き方も「光学異性」の関係にある。他にもナイフなんかに左だと切りにくいものがあったり、お茶を入れる際の急須も左ではまともに使えない代物だったりするのは右利きの人には知らない世界だろう。

 さて、良い物を買った、と帰国して使ってみたところ・・・、なんとまっすぐに切れない、のだ。左利き用なのに何事か、と思って考察した結果は次のようなものだ。 本来なら使いにくいはずの右利き用の道具なのだが、それに順応してしまっているので、左利き用でもふつうの右利き用の手の動きをしてしまってうまく切れない。

 何とも面倒なことだ。 左利き用ハサミは以来全然使っていない・・・。

 





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