2008/05/05

The Waltz of the Polypeptides

 アメリカのCold Spring Harborに来ている。2年に一回のシャペロンのミーティングで発表するためだ。発表は今までにない長い時間をもらえて、光栄なことであった。それはともかく、今回おもしろいオブジェができていた。それがこのタイトルで、リボソームで蛋白質ができていくところを模しているアートだ。思わず写真を何枚も撮ってしまった。横に見える長いヒモのようなものがmRNA、ぽつぽつと見える大きな物体がリボソームである。リボソームの大きいサブユニットと小さいのが合わさっている。


 mRNAにはリボソームが何個もくっついており、少しずつポリペプチドを合成していくのを見せている。左の写真はだいぶ合成が進んだ後を示していて、リボソームから出てきたポリペプチドがフォールディングしているようだ(出てくる位置は見慣れている絵とはちがうような気もするが)。最後にはていねいにもリボソームが解離して、ちょっと離れた位置に「蛋白質」の立体構造のオブジェがある、という流れだ(はたしてこの蛋白質はなんの立体構造なんでしょうか)。


 Cold Spring Harborはワトソン博士がいることでも有名な研究所であり、会場のある建物にはかの有名なDNAダブルヘリックスのオブジェが堂々と置かれている。ここで紹介した蛋白質合成のオブジェは、会場を出てキャビンと呼ばれる宿泊施設へ行く途中にひっそりと置かれており、ミーティングに来た人でも宿泊施設は分散しているので気付かない人も多いだろう。蛋白屋としては、ぜひ目立つところに置いてほしかったなぁ・・・。

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