またまた久しぶりの更新となった。
今回は自ら記事を書くのではなく、大学が準備してくれた記事の紹介だ。
東工大全学サイトの「顔 東工大の研究者たち」シリーズにて、田口ラボでのシャペロン研究や新学術領域研究「新生鎖の生物学」を紹介してくれたのでご覧ください(昨年12月末に公開)。
サイエンスライターの方が取材に来てまとめてくれたので、専門外の方でもわかりやすいと思います。
蛋白質科学者がつづる、シャペロン、フォールディング、「新生鎖の生物学」、「多面的蛋白質世界」など・・・にまつわる補足情報。
またまた久しぶりの更新となった。
今回は自ら記事を書くのではなく、大学が準備してくれた記事の紹介だ。
東工大全学サイトの「顔 東工大の研究者たち」シリーズにて、田口ラボでのシャペロン研究や新学術領域研究「新生鎖の生物学」を紹介してくれたのでご覧ください(昨年12月末に公開)。
1年ほど前の本ブログにて、3Dプリンターで作成したシャペロニンの模型を貸してもらった旨を掲載した。→「シャペロニンの模型が手元に!」
そこで紹介したタンパク質模型は川上勝さん(現・山形大学・工・ライフ3Dプリンタ創生センター)が作り方を考案した非常に凝ったもので気軽に作れるモノではない。
その川上さんが、最近出回ってきた廉価版の3Dプリンターでもタンパク質模型作れますよ、とおっしゃっていた。学内のある会議の雑談?で、「東工大・生命理工でも3Dプリンターを導入していろいろ活用しはじめてはいかがでしょうか?」と意見したところ、研究科で購入してくれることになった。川上さんにどの機種がよいのかなどアドバイスをいただいて、購入し、さしあたりうちのラボに置いてある。本体(UP! Plus2)は10万円台の機種だ。
「いろいろ活用してはいかがでしょうか?」とは言ったものの、ノウハウなどない中で「何」を「どう」作るのかが問題である。そんな中、川上タンパク質モデルを実際に作っている3D印刷業者さん(スタジオミダス)がラボに来る機会がたまたまあり、その際に、導入したのと同じプリンターで作ったシャペロニン模型と、それを印刷する際の元ファイルをいただいた。このファイルでまずはシャペロニンを「印刷」してみた。
以下がうちのラボにある3Dプリンターで「印刷」したシャペロニンGroEL(白)とGroES(黄色)である。
海外出張に行くとネタが増える。9月に大学の用務でスウェーデンに行った際に仕入れたパズルを紹介したい。
シャペロニン(GroEL)のかたちを表現する言い方にはいろいろある。リング、 かご、ドーナッツ、そして樽(バレル)などであろうか。
4年前にHartlとHorwichがラスカー賞を受賞した理由も
For discoveries concerning the cell's protein-folding machinery, exemplified by cage-like structures that convert newly made proteins into their biologically active forms.ということで、cageすなわち「かご」が使われている(注1)。
ブログでは紹介していなかったが、この数ヶ月で研究環境に大きな変化が生じた。
田口が代表として申請していた科研費新学術領域研究にめでたく採択されたのだ。
ごく最近、リボソームで合成されつつある新生ポリペプチド鎖(新生鎖)を主役として、フォールディング、シャペロンといったタンパク質研究とRNA研究の接点から、新たなバイオロジーが生まれつつある。新生鎖は何事もなく進む合成の通過点ではない、ことを示す知見が急増している。新生鎖は、リボソームに自ら働きかけることで自身の翻訳速度を制御しつつ、シャペロン群と相互作用しながら正しいフォールディングに向かう。タンパク質の品質管理は新生鎖の段階からすでに始まっている。そればかりか、異常mRNAの品質管理も新生鎖を介して行われるらしい。さらに、新生鎖自身が成熟タンパク質とは異なる新規の機能を有する例もわかってきた。そこで、以上の開拓的な研究を遂行してきた研究者を中心に“新生鎖”を主役とする新たな研究領域を設定し、技術開発も含めながら、新生鎖が関わるさまざまな生命現象の包括的な解明をめざす。概要図があるとわかりやすいであろう。
もう今年も10月である。気付けば前回の更新から4ヵ月も経ってしまった。この間に「ブログ更新しますから」と約束した人は何人になるかわからない・・・。
さて、10月上旬と言えば、ノーベル賞発表のシーズンである。つい数週間前にスウェーデン出張に行ったのだが、その余韻の中、唐突に日本科学未来館の科学コミュニケーターの方からメールが届いた。
「画像提供と引用へのご承諾について」
?と思ってメールを読む。
画像はぼくが行ったシャペロニンがあると固まらないゆで卵実験の写真(右写真。元のブログ記事注1はこちら)。 このブログを読んでいる方からときおりメールが届くことがある。うれしいことで大いに励みになる。
そして、今回は何とパズルが届いた。しかも、アメリカから!
突然だが、1月末に本を出版した。
生命科学は生活に密接に関係しています。「生命とは何か」から「人工的に生命は創れるのか」といった最先端の話題までを解説します。ということで、本ブログで紹介してきたタンパク質関連というより、もっと広く生命科学全体を貫く入門書となっている。目次は以下の通り。
遺伝子、ゲノム解析、病気や薬に関する研究など、生命科学は私たちの生活に密接に関係しています。これからますます発展していく生命科学の知識を持つことは、現代人にとって必須といえるでしょう。本書は、「生命とは何か」を考えることからはじめ、「細胞」や「タンパク質」、「代謝」、「DNA」、生活に大きな影響を与える「健康と病気」、「人工的に生命は創れるのか」といった最先端のテーマまで、丁寧に解説していきます。
第1章 「生きる」ってどういうことだろう?ちょっと読んでみたい方には、ネットで一部だけ「立ち読み」ができるのでどうぞ(Amazonの「なか見!検索」→こちら)。
第2章 細胞の中を覗いてみよう
第3章 生命を支えるタンパク質の世界
第4章 細胞はエネルギーをどう生み出すか?
第5章 生命の設計図DNA
第6章 健康と病気の生命科学
第7章 生命は「創れる」のか?
最近、滞りがちのブログだが、いいネタが手に入った。例によって、出張先で見つけた一品だ。真冬のヨーロッパの街を歩いた甲斐があったというものである。
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| 「経路のちがうフォールディングパズル(2010.12.18)」 |
このブログのネタにできそうなパズルやおもちゃは海外出張時の街歩きのときに見つけることが多い。
幾何学的なパズルの類を楽しむ土壌が日本にはないのかと寂しく思ったりすることもあるが、最近出かけた国内出張先ですばらしいお店に遭遇した。木製玩具を扱う個人経営の小さなお店だ。
外観は幼児向けっぽい玩具店だったが、中に入って一瞬で、すばらしい品揃えであることがわかった。しばらくは子供に交じって大の大人が一人黙々とあれやこれやとおもちゃをいじり、結局かなりの大人買い。右上の写真は購入した一部。少しずつ紹介していこう。
まず今回は定番のフォールディングを模したパズルから。
これまでにも最終的に立方体にする木製パズルはいろいろと紹介してきた(例えば、「経路の違うフォールディングパズル」など)。今回見つけたのもそれらに似ているが、もう少し自由度が高く、しかもパーツひとつひとつの色がちがっていて美しい。
1年ほど前の本ブログエントリーにて、柔らかく透明でリアルなタンパク質模型について紹介した。北陸先端大の川上勝さんが3Dプリンターをうまく活用した作成法を考案したすばらしい模型である。
「柔らかくて透明なタンパク質模型(1)」
「柔らかくて透明なタンパク質模型(2)」
あるミーティングでこの模型を一目見て感動し、川上さん経由で小さなタンパク質をいくつか特別に注文してラボに置いていた。小さなタンパク質というのはリゾチームとリボヌクレアーゼなどである。この両者の模型だけでも存在感を放っていて満足していたし、このブログを見たある方が「川上タンパク質モデルをぜひ生で見たい」ということで部屋に来てもらったこともあるくらいだ。
とは言え、シャペロニン屋としてはもちろんGroELとGroESがほしい。実際、川上さんは試作品の一つとしてGroEL14量体、GroES7量体を作っていて、実物を見て「いいなぁ、いつかは・・・」と思ってはいた。ただ、小さなタンパク質の単量体でも気軽ではなかったので、14量体、7量体となると手が出なかったのである。
が、夢はかなった。
ぼくのところにふだんは置いておき、講義を始めとしたタンパク質科学の紹介(サイエンスカフェなども含めた種々のアウトリーチ活動)でぼくが使うのはもちろんのこと、さらには希望する方に貸し出してどんどん活用してもらうという約束である。突然ですが、YouTube始めました。 題して「パズルでひもとくタンパク質」(Unfolding protein science from toy box) 突然と言っても、本当は5年前に科研費学術変革A「マルチファセット・プロテインズ」が立ち上がったときのアウトリーチ活動で動画...