2008/06/15

サンフランシスコ・シャペロン

卒業した院生がアメリカに旅行に行った後、おみやげとして写真の小冊子をくれた。

「サンフランシスコ・シャペロン」

この冊子は、ウェブサイトchaperon.com(実にいいURLだ)によると「サンフランシスコをご旅行される方々がより楽しく、安心してお過ごし頂けます様に、現地で役に立つ情報を満載して無料で発行している観光ガイドブックです」というものである。

シャペロン屋のぼくとしては、気の利いたうれしいおみやげである。ただ、もらった瞬間、これを見るのがはじめてではないことにすぐ気付いた。ぼくが修士2年のときにはじめて海外の地を踏んだ記念すべき街、サンフランシスコで発見し、「シャペロン」ってこういう使い方もするんだなぁ、と思った記憶がある。

この「シャペロン」、さまざまなニーズをもつ旅行者(基質タンパク質に相当?)が惑わないように多種多様な情報を提供して満足してもらう(フォールディング完了?)、ということである。さらには、日本語版もあり(写真がそうです)、何とも親切でマルチリンガルなシャペロンだ。おまけに無料(ATPのようなエネルギーがいらない?)。 サンフランシスコを訪ねる方はぜひ入手してください。

そういえば、サンフランシスコにはシャペロン業界の若き超大物がいるなぁ、とふと思った。あ、あとプリオンの名付け親であるあのお方も忘れてはいけない・・・。

2008/06/08

弾丸 vs フットボール

自分のサイト用のfaviconを作ってみた。

と書いても、faviconとは何かを知らない人の方が多いだろう。
ぼくもつい最近まで名称は知らなかった。このサイトではブラウザーの
住所(URL)のhttp://・・と表示される部分の左端に出るサイトを象徴するロゴマークみたいなものである。

このブログのページでは固定されているが、自分のページのものでは割と簡単に変えられる。かなり小さい絵しか使えないので何を意味しているのかわからないかもしれないので、ここで大きく載せてみた。

オレンジ色のシャペロニンGroEL/ES複合体の中で緑の丸で示されたGFP(緑色蛍光蛋白質)が光っているようすである。パワーポイントのスライドで使っていたものを切り抜いただけだ。

このfaviconでは、GroELの片側にGroESが結合していて、そのGroELリング(cisリング)でGFPが光っている。実際にこういう3者複合体ができることがわかっているし、GFPを使った実験もいくつか行っている(例えば、Taguchi, et al., J. Biol. Chem. 2004など)。

最近出てきた自分たちの結果からは、実はこのように片側のリングだけではなく、フタのGroESが両側に付くフットボール型複合体モデルの方がいいのであるが、フットボールだとfaviconには収まりがわるい(けど、思い立って代えるかも)。

ちなみに、片側にGroESが付いたGroEL/ES複合体は、電顕での形から「弾丸型」、GroESが両側に付いたのは「フットボール型」という(最初にこの用語を使い出したのはぼくの実質的な最初の論文、JBC1991である)。弾丸かフットボール、どちらがシャペロニンの作用機構で重要なのかはGroEL業界では実は古い話題で、1990年代中頃にはかなり熱い論争が繰り広げられた。その経緯は研究者の人間臭いドラマも含んでおり、説明しだすと軽く2時間くらいはかかるであろう。1999年頃には基本的に「弾丸型」の勝利、ということで終息していた。が、最近の自分たちの研究は再び「フットボール」を支持する内容である。

弾丸かフットボールかはマニアックな話しであり、シャペロン業界でも他の分野の人は、「そんなのどっちでもいいやん」ということである(つい最近のアメリカでも某教授に言われた)。ただ、シャペロニン業界ではこだわりがあるのだ。

その意味づけはまたどこかで・・・。



2008/05/28

「一つくらいは究めてみる」

 先日、と言ってももう数ヶ月も前だが、ずいぶん久しぶりに母校の東工大すずかけ台キャンパスに行って、話をしてきた。さまざまな道に進んでいる生命理工学部の卒業生を呼んでの「ようこそ先輩」イベント(G-COE主催)に呼ばれたのだ。正確に言えば、ぼくは生命理工学部出身ではなく、その前身の専攻の修了なのだが、まぁそれでもいいよ、ということで話をさせてもらった。

 大学院生くらいの若い人たちに、何かメッセージを、という主催者側の要望なので、研究の話だけをするわけにはいかない。さて、どうしたものかと、ずいぶんと悩んだが、自分の大学院時代のことを思いだして、「一つくらいは究めてみる」というタイトルで話すことにした。慣れない内容を話すのは得意ではないが、会場には知った顔も多く、リラックスして好き勝手話したと思う。

 話の概要を東工大生命理工の同窓会ニュースレターに書いたので、興味のある方は以下からダウンロードしてみてください。p6です。ちなみに、そこに提供した写真は、もう20年近くも前、ぼくが修士のころのスナップ写真です。

東工大生命理工サイト 同窓会ニュースレターVol. 10 (pdf, 2.8MB)

2008/05/14

ニュースレターを発行


 特定領域研究「タンパク質の社会」のニュースレターの編集を終えて3月半ばに発行した。冊子名は「Protein Community」である。
 ホッとしたのもつかの間、年2号発行予定なので、もう次の原稿を集めなければならない・・・。

 編集長として、原稿を依頼してみなさんに書いていただくのはもちろんのこと、空スペースを埋めるためにかなり多量にコラムやエッセイを書いた。研究室の学生にもずいぶんと助けてもらった(文字通り、からだを張って協力してくれた学生も・・・)。

 今思うに、書いたコラム記事の多くは本来ならこのブログに載せるようなものばかりだなぁ。

 ということで思ったのが、このブログをもう少ししっかり書いていって、その中から適当にピックアップしてニュースレターのコラム欄に載せるのが楽でいいのでは、というものである。このブログの読者とニュースレターの発送リストはほとんどかぶっていない(というか、このブログの読者ってどのくらいなんだ?)ので、まぁだいじょうぶだろう。

 ニュースレターはウェブサイトにpdfで置いてあるが、今号よりパスワード保護をかけることになったので気軽には見られないようになっている(こっそりと楽しんできた方々、すみません)。pdfはあくまでも補助的な媒体というスタンスである。なかなかリクエストできないものかもしれないが、一度発送リストに載れば定期購読可能(無料)なので、気軽にメイルで申し込んでください。

 こちらとしては、冊子の質感とともに、お茶でも片手にリラックスしながら読んでほしいと願っています。

2008/05/05

The Waltz of the Polypeptides

 アメリカのCold Spring Harborに来ている。2年に一回のシャペロンのミーティングで発表するためだ。発表は今までにない長い時間をもらえて、光栄なことであった。それはともかく、今回おもしろいオブジェができていた。それがこのタイトルで、リボソームで蛋白質ができていくところを模しているアートだ。思わず写真を何枚も撮ってしまった。横に見える長いヒモのようなものがmRNA、ぽつぽつと見える大きな物体がリボソームである。リボソームの大きいサブユニットと小さいのが合わさっている。


 mRNAにはリボソームが何個もくっついており、少しずつポリペプチドを合成していくのを見せている。左の写真はだいぶ合成が進んだ後を示していて、リボソームから出てきたポリペプチドがフォールディングしているようだ(出てくる位置は見慣れている絵とはちがうような気もするが)。最後にはていねいにもリボソームが解離して、ちょっと離れた位置に「蛋白質」の立体構造のオブジェがある、という流れだ(はたしてこの蛋白質はなんの立体構造なんでしょうか)。


 Cold Spring Harborはワトソン博士がいることでも有名な研究所であり、会場のある建物にはかの有名なDNAダブルヘリックスのオブジェが堂々と置かれている。ここで紹介した蛋白質合成のオブジェは、会場を出てキャビンと呼ばれる宿泊施設へ行く途中にひっそりと置かれており、ミーティングに来た人でも宿泊施設は分散しているので気付かない人も多いだろう。蛋白屋としては、ぜひ目立つところに置いてほしかったなぁ・・・。

2007/12/18

「タンパク質の社会」

ずいぶんと更新していませんでしたが、最近動きがあったのでいくつか報告です。

まずは、今年の夏に採択となった科研費特定領域研究「タンパク質の社会」の事務局を仰せつかることとなったので少し宣伝です。

ロゴの作成、ウェブの立ち上げを行いました。
ロゴはカラフルで明るいイメージで、虹色の輪はCommunityのCに加えて、ChaperoneのCも意味しています。

ホームページもぜひ一度ご覧ください。

「タンパク質の社会」オフィシャルサイト

2007/11/23

パズル(7) 消しゴムパズル

 これはどこかの文房具屋で見つけた消しゴムとして売っていたパズルである。角がいっぱいあるのできっと実用的でもあるのだと思うが、最近では鉛筆はすっかり使わなくなった。






 けっこう難しいし、ゴムだからはめ込んだときの、達成感が少しとぼしいような気がする。





   

2007/11/21

パズル(6)組み木パズル

 (下書きに放置したままの記事が実はたくさんあるので少しずつ仕上げていこう)

これは組み木パズルであるが、パーツはばらばらになる。
もの自体はどこかにいってしまった。 







と、思っていたら、お茶部屋にふつうに置いてあった。

2007/09/28

クワガタが部屋に・・・

7月の終わり頃だったか、自分の居室に入ろうとしたときに黒い物体が床の上に。もしや、ゴキブリか!と思ってよく見たら何とクワガタの雌であった。学生のいたずら?とも思ったが、そうではないらしい。キャンパス内ではカブトムシを見かけることもあるくらいだからいても不思議はないが、自分の部屋にまでいるとは・・・。2センチくらいの小さいやつだったが存在感はあった。

2007/04/29

柏名物 キジに注意


柏キャンパスには種々の野鳥がいて、ときおり目を楽しませてくれる。中でも存在感に圧倒されるのは野生のキジである。噂はかねがね聞いていたが、最初に生で見たときには、こんな大きな鳥が身近にいることに驚きを覚える。金属的な鳴き声もいったん覚えると、「あ、あそこにいるな」とすぐにわかるようになる。桃太郎の「キジがケンケン」というのも納得だ(実際には「キーン」とぼくには聴こえるが)。

昨年だったか大学院の一斉メイルで「キジにご注意ください!」というのが流れてきた。なんでも、雌のキジがヒナを守るために人を脅かすようなことがあるらしい。

2006/11/12

パズル(5) 組み木パズル

 これはパズルらしいパズルで対称性が美しい。中に赤い木の球を入れることから、シャペロニンが変性したタンパク質を中で折りたたんだあとのようすを示している、と見立てる(ちょっと苦しいか・・・)。

 入手先は昨年出張で出かけた上海。ごみごみしたビルの中にあったパズル中心の小さな小さなお店で買い求めた。他にもいろんな木製パズルがあり、中には日本の100円ショップで見かけるものも。 一緒に行った某教授は店の人が言うに「一番難しい」パズルを買って帰ったが、さて解けたのであろうか(解答はない、と確か言っていた)。

 この写真のパズルは研究室のお茶部屋では難なく組み上げられた。規則さえわかれば楽しく立体構造を構築できる。ただ、崩すとパーツがばらばらになるのが困った点で、細い棒が散乱していたので、もう二度とこの美しい姿にはならないかもしれない。


パズル(4)ポリペプチドもどき2

 次に示すのは、よりポリペプチドっぽい感じのものである。これもパズルと言うよりもおもちゃと言うべきものだ。ポリペプチドで言えば、主鎖にあたる部分だけで成り立ち、くねくねと曲がる。変性状態からギュッと詰まったフォールディングした状態、ちょっといじって、ヘリックスも簡単にできる。

 このヒモのようなおもちゃを最初に入手したのは4,5年前だったかの生化学会(京都)である。アメリカ分子生物学・生化学会の宣伝ブースに置いてあったのだが、やはりポリペプチドもどきということなのだろう。
 その後、お台場の科学未来館でも同様のものが売っていることを見つけ、何個か買って、全部つなげると100残基程度までは行くようになった。


 こいつは変性タンパク質っぽさはよく表現できるがカチっとした形のあるタンパク質をつくるのは難しそうだ。色をうまく考えて、疎水性残基は赤、親水的は緑、とか、そのくらいはできるかな。

2006/09/26

マリモとプリオン

 次に紹介するのはパズルではなく、マリモである。これが研究とどう関係するのか? 一見わからないだろうが、ぼくにはこれがプリオンの凝集体に見える! 

 どういうことかまだわからないだろう。プリオンやアミロイドを細胞内で研究するときにはプリオン蛋白質にGFPを融合させて、細胞で発現させる、ということがよく行われる。そのプリオン蛋白質がプリオン化して凝集になると、細胞内で緑に光る輝点(粒)が生じる(注)。それが視覚的にもわかりやすいので、プリオンやアミロイドになった証拠として使われるのだ(それに対して凝集になっていない場合には細胞質全体が緑になる)。

 そこでぼくたちの研究である。
 酵母のプリオンSup35蛋白質でもSup35-GFPの「輝点」がプリオン細胞の目印として用いられる。では、この輝点を酵母が増殖していくときにずっと観察していけばどうなるであろうか。この輝点がプリオンそのものならば「増殖」するはずなので、輝点は2つや3つに分裂して増殖していくのでは?と考えた。

 答えは、否。

 この輝点は分裂して増殖するどころか、観察していくうちに見る見る消失していくことがわかった。
と言っても、ほんとうに「消失」していたわけではなく、大きな輝点がほぐれてオリゴマーとなる(通常の顕微鏡ではオリゴマーは細胞質に拡散して見えるだけである)。詳細はKawai-Noma et al., Genes to Cells, 2006を参照してください。
 
 ここでマリモに戻るが、マリモは酵母プリオンで見えた「輝点」に相当する、と考える。マリモも元はと言えば、小さな藻が球状に集まったものだ。なので、その小さな藻をプリオンのオリゴマーと考えたわけである。

 ちなみにこのマリモは札幌出張の帰りに買ってきたものだ。天然モノではなく人工マリモです。頭の中がプリオンのオリゴマーと巨大な凝集体でいっぱいだったので、見た瞬間、これだ!となった。
 さらに言えば、ずっと観察していてもほぐれてはいきません。マリモとはそういうものだろうけども。

(注)細胞内でプリオンの存在状態というのは案外わかっておらず、試験管内で作るとできるきれいな線維と細胞内プリオンの実体の関係はまだよくわかっていない。

2006/09/24

パズル(3) ポリペプチド鎖

このパズルは特に何かのかたちにするというわけではなく、いろんなかたちのものが作れる。特に答えがあるわけではないので「パズル」というよりは「おもちゃ」であるが、こういうタンパクっぽいものを見かけるとつい買ってしまう。と言っても、これ自体は短いのでペプチドかもしれないが。
 ここでは、同じおもちゃ2つを使って適当な「かたちのあるもの」を作ってみた。このおもちゃは先に紹介したキューブ型のパズルとはちがい、パーツ間をつなぐ部分がゴムになっているのでかなりフレキシブルに動く。という点ではタンパクっぽいかもしれない。

これは一昨年に行ったイタリアのPaviaという小さい街をぶらぶらしているときに見つけた。ちなみにPavia大にはゴルジ体を見つけたゴルジさんの立派な銅像が鎮座していた(とえらそうに書いているが、その場にいた日本人はぼくも含めて誰も「あの」ゴルジさんとはそのとき知らなかった・・・)。

パズル(2) シャペロニンのかご

 パズルの第2弾は、シャペロニンの「かご」を模した(?)パズルである。シャペロニンとはタンパク質のフォールディングを助けるシャペロンというタンパク質であるが、その構造自体がとてもユニークで内部に4〜5nm幅の空洞がぽっかりとあいている。かごのメインはGroELという大きなシャペロニンタンパク質で変性タンパク質を捕らえることができる。そこにGroESというフタがATP依存で結合すると、変性タンパク質が中に閉じ込められ、その内部でフォールディングが最後まで進行する。問題はどうやって内部で戻ったタンパク質を外に出すかであるが、現実のシャペロニンではATPがもう一度使われるのである(詳細は田口の総説など参照)。

で、パズルであるが、かごの中に閉じ込められた星を外に取り出す、というものだ。閉じ込められた星はけっこう大きいのではたしてどうやって取り出すか。この写真からはわからないが、やってみるとけっこう簡単である。




実際のシャペロニン(GroEL-GroES)複合体にタンパク質が閉じ込められたようすのシミュレーション図も載せてみる(Sakikawa, et al., JBC, 1999)。ここで使っているのは実験的に閉じ込めが起こることがわかっている約54kDのタンパク質(BFP-GFP融合物)であるが、けっこうきつきつだ。現実のシャペロニンの空洞の中でフォールディングがどうやって起こるのか、シャペロニンがフォールディングそのものに影響を与えるのかは、まだ議論が多いシャペロニン研究のフロンティアである。

2006/09/13

パズル(1) タンパク質のフォールディング


補足情報としてぜひ載せていきたいものとして、パズルがある。タンパク質はアミノ酸がつながった「ひも」であり、それが折れたたんで(フォールディングして)最終的な「かたち」をもったタンパク質になる。そのプロセスを思い起こさせるパズルというのはけっこうあるもので、これまでにそれなりに集めてきている。自分の発表資料のイントロなんかでもずいぶんと活躍してもらっているし、講義でタンパク質のフォールディングを解説するときに手でもてあそんだりもしている。
 ということでいろいろともっているのだが、まず第一弾は、いかにも「フォールディング」という感じの立方体パズルを紹介したい。このパズルの存在自体は東工大時代にとある院生がオーストラリアでの学会(?)か何かで見つけたと言って見せてくれて感動したのが最初である(ちなみにF1-ATPase研究をしていたが)。その後、自分でもドイツ出張の際に同様のものを見つけた。今は研究室のお茶部屋の友としてみなに愛されている。これができないと田口グループに入れない、という噂もあるが、ぼく自身がどのくらいで完成させられるかは実はヒミツである。
 このパズルのフォールディングとの関係は一見してわかるもので、説明はいらないと思われる。実際、他の研究者でも愛用されていて、阪大の某先生はこれでアミロイドまで作っておられる。
 「変性」、つまりキューブをこわすのは簡単だが、フォールディング、つまり元に戻すのが難しい、というのはタンパク質のフォールディングと同じだ。ただ、ヒモを形成するパーツ(アミノ酸に相当)とパーツをつなぐ部分の回転の自由度はかなり制限されており、その点ルートも限定される。タンパク質のフォールディングはもっとぐにゃぐにゃしたところから、かちっと決まるわけである。
 今では100円ショップでも手に入ります。ぜひお試しを!

2006/09/09

Supplement

 このブログを立ち上げるに際してタイトルを何にするか思案していたが、ふと思いついてSupplementary Online Material on Taguchiとした。これは日頃論文を読み込んでいる研究者の方々ならばおそらくご存じであろう、Science誌のSOM (Supporting Online material)からヒントを得たものである。「Supporting」というと何をサポートするのかよくわからないので、ここではSupplementaryとした。

 研究者でない方には、何のことかわからないかもしれないので簡単に説明しよう。誌面に制約のある学術雑誌(Nature、Science、・・・)では本論文に載せることのできない実験データを補足情報としてオンラインで提供している。ネットが発達しているからできることである。以前なら文中にdata not shownということで終わらせていたデータが今ではサプリメントに載せることができる。極端な場合では、実験方法に関することはすべてオンラインの補足情報に載せる場合すらあるほどだ(Science誌)。

 おもしろいのはこのサプリメント情報を何と呼ぶかが雑誌によって微妙にちがうことである。

Nature → Supplementary Information
Science → Supporting Online Material (SOM)
Cell → Supplemental Data
PNAS → Supporting Information
EMBO J. → Supplementary Information
JBC → Supplemental Data

というような具合で、微妙に少しずつ変えているようだ。
が、EMBO J.とNatureは同じグループだからか同一の名称だ。
では、CellとJBCは?ということになるが・・・。

2006/08/31

柏の葉公園


写真は、柏キャンパスのすぐ隣にある柏の葉公園で撮ったものだ。なかなかにいい公園であるが、意外と足を運ばない。定期的に行くのは花見の頃かな。実際、桜の季節にはびっくりするくらいの人がいる。逆に、ふだんの平日はあまり人がいない・・・。

 



最近、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅から大学まで自転車で行くことがあるが、この公園内を最後に横切ると気持ちがよい。夜など真っ暗だが、星空がとても広くてすがすがしい気持ちになる。

 

2006/08/30

ゆで卵実験の思い出

 左の実験はシャペロンのはたらきを専門家でなくても一見してわかってもらうために考えた実験だ。シャペロニンはタンパク質の凝集を防ぐはたらきがあるが、タンパク質の凝集と言えば、「ゆで卵」ということで、卵白にシャペロニンを加えて70℃に加熱したら、見事、シャペロニンを入れた方では凝集ができないために透明なままである(ただし、実際には卵白は50倍程度薄めている)。

 この実験は10年以上前、東工大での博士課程かポスドクのころに行った懐かしいものだが、今でも重宝している。一回は、このネタだけで投稿論文にもしたことがあるが、さすがにこの図一枚ではダメだ、ということであった(まぁ、ぼくがレフェリーでもそう言うだろうが)。何か実験を付け足して再投稿、と考えたが、なんだかんだ後回しにしていたら、そのままになってしまった。最近、JBの総説を書く機会があったので、そこにはこの写真を載せている。