編集を担当した実験医学増刊号が10月に発行されたので紹介したい。
「徹底解剖 タンパク質発現異常 疾患の原因が見えてくる!新機構27選」
田口英樹,松本有樹修/編
簡単に言えば、タンパク質ができてくる過程で起こりうる異常に関して想定できそうなトピックスをまとめた一冊である。本書での「異常」は、疾患につながる異常が前提となって編集した。概説や目次などは羊土社HPの立ち読みでできるのでぜひご覧いただきたい(→「立ち読み」)。
実際には、この増刊号は2022年に出版された実験医学増刊号「セントラルドグマの新常識」のスピンオフである(本ブログでの紹介、羊土社HP)。3年前の増刊号は基礎研究の立場からまとめた内容だったがかなり好評だったということで、病気にも関係する内容が望まれたということで編集の依頼が届いた。本増刊号では2022年の増刊号で紹介した新常識の翻訳以降を中心として疾患に絡めたと考えてもらうとわかりやすい。例えば、ヒトの疾患に興味のある方が、本書でカタログ的・網羅的にタンパク質発現に関する異常を検索してヒントや洞察を得ることに役立てていただければ幸いである。