2012/08/25

正12面体パズル Mind Jewel(ミュンヘン2)

 ミュンヘン出張でのパズル第二弾は、右の写真のような立体パズルである。Mind Jewelというらしい。

 プラスチック製のカラフルな正12面体の立体を崩したものを元に戻すという点では、前回のスネークパズルと同様のパズルである。

 
 崩してそのままの状態だと元に戻すのは思いのほか簡単。というのも、そのままだと元に戻す経路が一通りなので、ほとんど迷わなくてもいいからである。ラボに置いておいたら、スネークパズルに手こずっている学生が「これは簡単でいいですね!」と。

 しかし、実は難しくできるのだ。以下の図のように、正五面体のパーツをつなぐヒモが複数の辺にまたがっている部分がある。つまり、ヒモの位置をずらすことにより、経路が一筋縄ではいかなくなるのだ。

from Jaap's Puzzle page (http://www.jaapsch.net/puzzles/mindjewel.htm)


 実際、ヒモの位置を適当にずらしてバラしてラボに置いておいたら、しばらくは完成していなかった(が、完成は時間の問題)。
(ちなみにこの図の出典であるJaap's Puzzle pageでは、このMinde Jewellの経路の数を計算したりしているだけでなく、膨大な数のな立体パズルについてびっくりするぐらいの考察をしている。→たとえば、スネークパズル

 Youtubeでの動画も発見した。これを見るとパズル組み立てのイメージが理解できるであろう。

 
ということでレパートリーが一つ増えた。このパズルはミュンヘンにあるドイツ博物館というすばらしい科学博物館のショップで購入した。







2012/08/18

フォールディングパズルを新調(ミュンヘン1)

 7月にミュンヘンに行ってきた。ドイツでのシャペロンやタンパク質輸送関連のミーティング(SFB594)に招待されたのだ。この会議はバイエルン科学アカデミー主催であり、会場はミュンヘン観光のハイライトの一つレジデンツの一角とでもいうべき由緒正しい建物で開催された。ビアホールで有名なホフブロイハウスやマリエン広場へも徒歩10分くらいの絶好の場所である(実際、夕食の一回は招待者全員でホフブロイハウスへ)。

 実は、このミーティングには約10年前にも出席したことがあり(ポスター発表)、そのときマリエン広場で重要なモノを入手した。タンパク質のフォールディングを模したパズルとしてよく使っている「スネークパズル」である(右図の木製パズル)。本ブログの記念すべきパズル第一弾でもある(→パズル1)。
 このスネークパズル、その後いろんな色のをそろえたりもして(経路もいろいろ!→経路の違うフォールディングパズル)充実してきたのであるが、「初代」のはあまりに使い込みすぎて汚れが目立ってきた。「初代 」を購入したのと同じ店があればまた入手できるかと思い、会議のあとにマリエン広場付近の木製品ショップを再訪したところ、あったあった。



 「初代」と同じ大きさのモデルは売ってなく、「初代」より一回り大きいのと(写真右)、ずっと小さいのが売っていたので、小さい方は大人買い。 これでしばらくはきれいなフォールディングパズルを楽しめるだけでなく、「凝集」状態を実際のパズルだけで実現することも簡単にできるようになった。

このミュンヘン出張では他にも本ブログにもってこいのネタができた。
いつものように海外出張に行くとネタが増える。
 

2012/08/14

柔らかくて透明なタンパク質模型(2)

 (以下つづき)


 実はこの模型については今年初めの構造生命科学のシンポジウムで郷通子さんが紹介しているのを見て「へぇ〜」と思ったのが最初である。その後、2月の神戸出張の際、川上さんから直々に実物を見せてもらって感動し、その後試作品を川上さん経由で作ってもらって自分でいくつか持ってもいる。持っているのはリゾチーム、リボヌクレアーゼと阻害剤タンパク質の複合体(1dfj)。本当はGroEL、GroESも川上さんはもっており、それがほしかったが、分子量6万のGroELサブユニットを14個作るのはたいへんすぎるので断念した。以下のyoutubeでGroEL/ES複合体をばらすようすを見ることもできる。(写真、youtubeは川上さんより提供)


  もっと早く紹介したかったが、論文が公開されてからお願いします、ということだったので今になったが、今後宣伝していきたいと思う。

 川上さんにパズルを作ったらどうだ、とコメントしたところ、既にできている、ということであった。


 

柔らかくて透明なタンパク質模型(1)

 本ブログではタンパク質のおもしろさを伝えたい、ということで、これまでタンパク質もどきのパズル、おもちゃ、グッズなどをいろいろと紹介してきた。


 共通に流れるコンセプトは「タンパク質はかたちが命 」ということでタンパク質の立体構造や折れたたみ(フォールディング)を連想させるモノをピックアップしてきたが、いずれも当然本物のタンパク質の立体構造よりはシンプルなモノである。 実際のタンパク質をもう少しリアルに実感してもらうには2次元画像でのタンパク質表示(例えば右図。シャペロニンGroEL/ES複合体)がせいぜいであり、手に取って「実感」してもらうわけにはいかない。

 そのような中で、タンパク質のリアルな模型が登場した。北陸先端大の川上勝さんが3D印刷技術を使って実現したタンパク質模型である。これこそ、タンパク質を「手に取って」眺めて触ることができる。


 主鎖のヘリックスなどに側鎖部分が透明なシリコンで肉付けされている。実際に手に取るとぶよぶよしているし、手で「構造変化」をさせることも可能である。複合体では、実際のコンタクト部位に磁石が取り付けてあって、カチッと複合体を形成することもでき、よく考えられた模型となっている。

 質感などは以下のyoutube動画を見てもらうのがよいかと思う。


 作成方法や他の詳細は、先週公開された原著論文(Rev. Sci. Instrum.)、論文公開に合わせて北陸先端大からプレスリリースされた資料をみてほしい。

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(2)に続く→こちら