2009/08/25

eSOL: 大腸菌全タンパク質可溶性データベース


シャペロンがない状態で大腸菌の全タンパク質(4000種類強)を個別に試験管内で合成して、凝集体になりやすいかどうかを網羅的に調べた(Niwa, T. et al., PNAS 2009 → pdf)。この結果はベーシックなタンパク質科学としてたいへんに興味深い知見(タンパク質には凝集になりやすい集団とそうでない集団の二つに分かれる、などなど)があったのも重要だが、実用的な意味でも今後貴重なリソースになると考えている。実際、バイオインフォマティクスの研究者を中心に予想以上に反響があって、うれしい限りである。

ただ、論文では統計的にしか結果を示していないので、個々のタンパク質が溶けやすいのか、凝集になりやすいのかは論文を見ただけではわからない。
そのようなこともあって、国立遺伝学研究所の専門家にウェブで検索可能なデータベースを構築してもらうことになり、既に公開されているのでここでも紹介しておきたい。
 
eSOL (Solubility database of all E. coli proteins)
http://www.tanpaku.org/tp-esol/

みなさんぜひお使いください。
使い勝手などで要望などありましたら、どうぞお気軽にコメントをお寄せください。